松花堂弁当

松花堂弁当は、中に十字形の仕切りがあり、縁の高いかぶせ蓋のある弁当箱に、ごはんと数種類のおかずを組み合わせたもので、松花堂弁当の発祥である吉兆の盛り付けは向付が右奥、左奥が御菜、左手前に煮物、右手前にご飯となっています。松花堂弁当をいただくときは食作法と、蓋の扱いに注意しましょう。食作法では、お吸い物が出た場合、まず始めにお吸い物からいただきます。その後、白いご飯、おかずの順にいただきます。おかずやお漬物から箸を付けないようにしましょう。次に蓋の扱い方ですが、蓋はひっくり返しテーブルに場所があればお弁当の奥側に置きます。狭くて場所がなければお弁当の下に重ねます。食べ終わった後は、魚の骨などを一か所にまとめ、蓋をしましょう。

松花堂弁当の由来

花堂弁当の由来は、江戸時代の石清水八幡宮の僧侶であった松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)に由来しています。昭乗は農家の種子入れだった仕切りのある器を小物入れにしていたところから、昭和初期に吉兆の創業者、湯木貞一がこの器を弁当箱に考案したものと言われています。

幕の内弁当

幕の内弁当は、白飯と数種類のおかずを詰め合わせた弁当で、押し型で俵型に成型された白飯に、胡麻をふりかけ梅干を乗せたものと、玉子焼き、かまぼこ、焼き魚、揚げ物、煮物などを少量ずつ弁当箱などの容器に詰めたものが一般的です。駅弁などでは使い捨ての折り詰めに入れられていますが、芝居小屋では重箱に入れられ、容器は回収されることもあります。

幕の内弁当の由来

幕の内弁当の登場は江戸時代の中期で、幕の内弁当の由来は諸説あるようですが、芝居の幕間(まくあい)に食べられたことが起源と言われています。明治以降になると兵庫県姫路のまねき食品が駅弁に導入したことから、幕の内弁当は駅弁のひとつとして広まっていきました。